災害・環境への取り組み
災害・環境への取り組み
2011年に発生した東日本大震災では、東北3県における病院380施設のうち11施設が全壊、289施設が一部損壊、45施設が外来患者の受入れ不可、84施設が入院患者受入れ不可の状態になりました。そして、首都直下型地震の被害想定では、負傷者14万7000人(うち重症者2万1900人)、ライフライン停止率は最大地域で電力48.6%、上下水道79.5%に達する見込みであり、医療施設の診療継続に大きな影響を与える可能性があります。
一方、震災等の大規模災害発生時における医療機関の使命は、病院機能を維持した上での被災患者を含めた患者すべての診療であり、それらは災害発生直後から初動期、急性期、その後の亜急性期、慢性期へと変化する被災者のニーズに対して継ぎ目なく可及的円滑に行われる必要があります。
また、厚生労働省は、「災害時における医療体制の充実強化について」(平成24年3月21日医政発第0321第2号厚生労働省医政局長通知)の通知において、医療機関が自ら被災することを想定して災害対策マニュアルを作成するとともに、業務継続計画(BCP)の作成に努めるよう要請しているところです。上記を鑑み、池袋病院では、災害発生時における病院機能の損失をできるだけ少なくし、病院機能の立上げ・回復を早急に行い、継続的に被災患者の診療に当たり、もって地域医療への貢献に資することを目的に、災害リスクマネジメント体制を整備しました。
具体的には、災害リスクマネジメントに関する基本規則を定め、防災管理規則および災害時マニュアル、防火管理規則と火災時マニュアル等を策定し、被災・火災時における対応策を整備しました。また、災害発生時においても医療活動を間断なく継続するために「BCP策定委員会」を発足し、池袋病院および関連クリニックのための「事業継続計画(BCP)」を策定し、継続して課題に対処する体制を整備しております。
以上の体制整備のほか、池袋病院、鶴ヶ島駅前クリニック、霞ヶ関腎クリニック、池袋クリニックでは以下のような取組みを実施済みです。
建物の耐震化:池袋病院をはじめ、各クリニックを運営している建物は新耐震基準に準拠した建物です。
上水道の確保(井水プラント):池袋病院では、川越市水道局の上水道だけでなく、独自の井水プラントを設置しており、断水時においても安定した上水道の供給が可能です。
非常用発電設備:池袋病院では、3基の非常用発電装置を設置しており、全ての診療の継続に必要な電力を確保する体制を整えております。また、発電機用の燃料についても近隣のガソリンスタンドとの間で燃料の優先的供給に関する協定を締結し、安定した燃料供給体制を整備しました。
医療機器の耐震化(転倒防止等):透析機器の転倒防止措置、フレキシブル配管の採用など、重要な医療機器について震災による損壊を防止する措置を講じています。